自己肯定感を育む!子どもの成功体験の「定義」について解説!

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今回は子どもの自己肯定感を育む成功体験の定義についてまとめました。

「自信のある子に育ってほしい」
親ならば、誰しもそのように考えるものですよね。
しかし、考えすぎてしまうあまり「どうやったら子どもは成長するの?」
悩んでしまう保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
成功体験は偶然の中で生まれる要素でもあります。なかなか親の狙い通りにいかないこともしばしば…。
だからこそそのポイントを意識しておくだけで子どもを見守る目も変わってくるはずです。これは12年間幼児教育に携わった私なりの見解です。

 

そもそも成功体験とは?

子どもたちはどのような場面で成功体験を感じるのでしょうか?
それは「できた!」と感じた瞬間です。こうやって言ってしまうと「じゃあサッカーをやらせよう」「そろばんをやらせよう」「折り紙をやらせよう」と親は子どもに何かをやらせることばかりが頭をよぎってしまいます。
しかし、それは本当にお子さんがやりたがっていることですか?
このポイントを押さえておくだけで「親のヤキモキ」が減るはずです。

私は子どもの成功体験を以下のように定義をしています。

①子どもの自発性 × ②子どもの感情の変化 × ③親の声かけ

①②③は時系列にもなっています。それぞれの項目を解説していきます。

 

① 子どもの自発性

子ども自ら行動できたということが成功体験に大きく関わります。
自発の反対の言葉は「やらされ感」です。
大人でも上司にガミガミ言われればやる気をなくしますよね。
子どもたちだって宿題をするときに親から「宿題やりなさい」と言われるだけでなんだか億劫なものに変わってしまうものです。
親心でつい言ってしまう「宿題やりなさい」ネガティブワードの代表例ではないでしょうか。

自分から「やってみたい!」と思うことが成功体験のはじめの一歩です。

 

【②子どもの感情の変化】

成功体験とは何かを経験することではなくその経験の中で起こる「感情の変化」だと私は考えています。
感情が動かない作業の中には成功体験はありません。

例えば「初めてテストで良い点数を取ることができた」「初めてサッカーでゴールを決めることができた」など、結果が出た時が成功体験なると思われるかもしれません。

しかし、上記の例で言えば「“いつも”テストで良い点数を取ることができている」「“いつも”サッカーでゴールを決めることができている」子がいたとして、それはどれほどの成功体験になっているでしょうか?

先ほどの前者の例から考えると成功体験を感じる総量が違ってくると思いませんか?

一点補足があります。今回の項目の②を「良い結果が成功体験である」と書きたくないと個人的には思っています。
失敗する体験も成功体験にできる力があると私は考えているからです。
これについては③の親の声かけで更に詳しく解説します。

 

【③親の声かけ】

自発的に行動すること自体がもう成功体験だと私は考えているのですが、
その中で努力しても失敗してしまうことは誰しもが経験するところです。
自発的に行動したことならば、自分の中では納得できることが多いのではないでしょうか。しかし、そのような体験の中で親が次のようなことを言ってしまったらどうでしょう。

「あれだけ勉強して、これしか点が取れないの?」
子どものやる気が一気になくなってしまうと思いませんか?

人間はどうしても他人の言葉から自分の価値を決めてしまうところがあるものです。親の言葉であれば、なおさらその影響は大きくなものになります。逆にテストの点数が悪かったとしても、親から次のように言われたらどうでしょうか。

「あなたが頑張っている姿を見せてくれたことが私は一番嬉しいよ!」
きっともう一度頑張ってみようかなと思ってくれるはずです。

①②③の全てがかみ合った時に子どもの成功体験は最大化します。
そういった場面を幼児教育の教室長を務めていた時に何度も見てきました。
以下では、その一事例をご紹介いたします。

 

【事例】いつもボーとしていたA君の才能

千葉県の教室を担当していた時のこと。
当時小学2年生のA君が私の教室に入会してくれました。

正直勉強ができるタイプとは言い難く、こちらから働きかけてもなかなか反応を返してくれない子でした。
最初の頃は終始「ボー」としてしまうA君でした。
今思えば、入会間もない頃だったので勝手がわからなかったのだと思います。

そんなA君の転機は4か月に一度の漢字テストでした。
漢字テストは合格不合格の判定が出るのでどの子も真剣です。
準備期間は1か月間、2年生は50文字程度の漢字を覚えてこなければなりません。
2年生で50文字はなかなかの量です。
私はAくんのことが心配でした。
ここで悪い点数を取ってしまい自信を無くしてしまったらどうしよう…

テストまで残り1週間のある日、A君のお母さんが私に声をかけてきました。
「先生、これを見てください」
お母さんから渡されたノートを広げてみると、そこには漢字でびっしりのページばかり。余白部分もすべて漢字で埋まっていました。
それが十数ページ、大人でもノートをここまで字で埋め尽くすことは難しいだろうという練習量です。

テストがあると知った日から今日まで、A君は漢字の練習を続けたそうです。
反応が薄い印象のA君でしたが、実は一つのことをコツコツとやり続けることができるという才能があったのです。
結果、テストは88点の高得点でした。

合格のテストを返却された日、授業が終わるとA君はすぐにそのテストをお母さんに見せにいきました。
A君のお母さんは「本当によく頑張ったわね!」と満面の笑顔でA君を称賛してくれました。

2年生の山場である九九の暗記も、A君は不器用ながら何度も何度も練習をして、得意になることができていました。
A君にこんな才能があるなんて、この漢字テストがあるまで私は気が付くことができませんでした。

その後、次第にA君の表情も明るくなり、こちらから声をかけると適切に反応が返ってくるようになりました。
「自信」はその子の性格にも良い影響を与えるものですね。

 

まとめ

成功体験とは「自発性×感情の変化×親の声かけ」である。

子どもの成功体験を支えるためには、親としての心構えが重要です。自発性を尊重し、感情の変化を見守り、適切な声かけをすることで、子どもたちは自信を持って成長します。成功体験を通じて得られる自己肯定感は、子どもたちの未来を明るく照らします。お子さんの日々の小さな成功を大切にしながら、その成長を共に喜び合い、未来への希望を育んでいってください。

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