子育て日記「子どもの習い事デビュー前に起きた学童でのアクシデント」

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息子の学童からの着信

スマートフォン見て驚く父親

電車の中でスマホが鳴る
表示を見ると長男の通う学童からの連絡
「○○(長男)くんが鏡に頭をぶつけたので病院に連れて行きたいのですが…」

息子が?鏡に頭をぶつけた?
いったい何があったのか…電車の中で呆然とする私。

長男の習い事について

少し時間をさかのぼり、前日の夜
「明日はサッカーの体験に行くからね!」
そう念押しするパパ(私)。
小学一年生の長男はまだ習い事をしたことがない。

子育てというものは、親の経験値が反映されると常々感じている。
自分が今まで生きてきた数十年間の蓄積の中から、
「自分みたいになれ」か「自分みたいになるな」というどちらかの指標に向かって
わが子にとっての最適を道を探すこと、それが子育てではないか。
いろいろな人に話を聞いてみるとその比重も親の性格が表れるようだ。
私はどちらかという後者の考え方から子育ての指針を決めることが多い。
「あの時の自分にこの能力があったらな」と妄想することがある。
それでも自分の過去を変えられるわけではないし、それをリベンジしたいという訳でもないのだけれど。
どこまで子どもたちの人生を豊かにできるかは懐疑的だが、
親になってまで後悔したくないな、という思いは否定できない。
そこで出てくるアイディアがサッカーを習わせることだった。
わが子にはメジャーなチームスポーツを経験させておきたいと思っていた。

「明日、学童を3時に出て、寄り道しないで帰って来てよ」と改めて息子に念押しする。
「わかってるよ」と息子が返事を返す。
何度も言ってくるなと思われたかもしれないが、
小学一年生の長男は何度か約束を忘れてしまい、時間通りに公園から帰って来ないことがあった。
もう2週間以上も前に予約したサッカースクールの体験、息子の失念でふいにしたくない。

妻はサッカーを習わせることに気が進んでいないらしい。
息子の習い事の話になったとき、
私は真っ先に「サッカーがいいんじゃないかな」と切り出した。
すると明らかな難色を示す妻。
「サッカーってさー、試合があるときに保護者がサポートで行かなきゃいけないじゃん。
私、そういうの面倒くさいだよねー」
と予想外の理由が出てきた時には逆に私の方が面食らった。
そうか、そういう判断基準もあるのだな。
先ほど子育ては親の経験値が…と言ってしまったが、
たしかに親の負担のことはあまり考えていなかった。
もし本当に息子がサッカースクールに通うことになるようならば、
妻の負担にならないようにしないとな。

長男自身とも習い事について相談している。
私の理想を押し付け過ぎる訳にはいけないことは、もちろんわかっているつもりだ。
「習い事だけど、サッカーとかどうかなー?」
「いいよー!」とあっさり快諾。
先ほどの妻とは打って変わってあっけらかんとした返事だった。

サッカークラブの体験の日、学童からの連絡

そして体験当日。この日は仕事を午後半休にしておいた
13時で退社をして、ギラギラとした炎天下の中、帰宅する私。
今年は酷暑だという話はどうやら本当らしい。

サッカースクールの体験は16時、息子が家に帰ってくるのは15時15分くらいだろうか。
「その前に昼食を済ませておかなければな」などと考えていた。
いつもは社食を利用しているので、何を食べようかと少しワクワクしていた。
昼間の電車はガラガラ、その車内でスマホが鳴る。
表示を見ると長男の通う学童からの連絡、嫌な考えしか浮かばない。

電話に出ると「もしもし、○○学童の○○です」と丁寧に名前を名乗られ、
「ちょっと、今、いいですか、お父さん。
実は○○(長男)くんが鏡に頭をぶつけたので病院に連れて行きたいのですが…」

息子が?鏡に頭をぶつけた?
いったい何があったのか…電車の中で呆然とする私。
話を聞くと、学童で友だちとふざけあっていた際、拍子に押されてしまい壁かけの鏡に頭をぶつけたとのこと。
血が出るなどの外傷はないが、たんこぶができているらしく、
また鏡の破片が頭に残っており、素人で破片を除去することに不安があるということで病院にいきたいと説明をされた。

話を承諾して「これから私も病院に向かいます」と電話を切った。
心拍数が少しずつ上がっていく感覚がある。
電話を切って3分ほどで、次は妻からのLINE。
「話、聞いたよ!私が行こうか?」というメッセージから、自分が行きたいという気持ちが伝わってきたのだが、
「今日はちょうどサッカースクールの体験に行く予定だったでしょ。もうすぐ駅に着くから俺が行くよ」と返答することにした。
すると妻から「サッカーの体験、今日は中止だよね…?」とメッセージ。
さすがに…さすがに、こういった状況でサッカーの体験に行くという選択肢はないよなと私も思う。

息子のいる病院へ

妻から保険証のありかを確認して、自転車で病院へ。
またサッカースクールにも断りの電話をかけておかなきゃ。

息子が向かった病院は大きなところだったため、すぐに息子たちの居所がわからなかったので学童に電話をかけ直し確認。
やっと息子と学童の先生を見つけることができた。
二人ともなんだか申し訳なさそうな顔をしている。
学童の先生からはすぐに「この度は申し訳ございません」と切り出された。
私は昔、幼児教育の教室長を務めていた経験もあったので、この学童の先生を責める気持ちにはなれなかった。
男の子ならこれくらいのことは起こるものだ。

自分の目で息子の頭を確認すると、たしかに血が出ているなど傷になっているということはないようだ。
頭をぶつけた衝撃で鏡は粉々になったと聞いていたので、そこはさすがに心配だったが、とりあえず大丈夫そうだ。

病院の受付を済ませ、20分ほど待合室で待っていると息子の名前がアナウンスされる。
診察室で息子の頭を見てもらい、お医者さんとこの後の対応について相談。
レントゲンを撮り確認することはできるが、被ばくのことを考えるとそこまでする必要はないのではないか、と説明を受ける。
お医者さんの反応からしても、そこまで大きな怪我ではないのだなと感じ取れたので、
今日一日経過観察をする、ということで診察は終了となった。

学童の先生が帰り、息子と二人で病院の待合室で会計を待つ時間があった。
そこで息子がポツリと「サッカーいきたかったな…」
息子も少なからず楽しみにしていたのだなと改めてわかった。
「体験はできないけど、見学に行ってみる?」
と伝えると「行ってみたい!」と病院にきて初めての笑顔を見せる息子。
改めてサッカースクールに電話をかけて見学だけさせてもらうことにした。

15時を過ぎ、そういえば昼食を取っていない自分に気が付いた。
ひそかに楽しみにしていた昼ご飯はファーストフードとなり、
学童でお弁当を食べ終わっていた息子はソーダ味のシェイクをものすごい勢いで飲んでいた。
どうやら息子も元気取り戻したようだ。

サッカースクールに着き、見学をさせてもらったのだが、息子は終始ポケットに入ってたゴム製の小さな人形で手遊びしていた。
他の子どもたちが練習している姿をほとんど見ていないように私には見えたのだが、見学が終わると「やっぱりサッカーやりたかった!」と言っていた。
今度リベンジしような!

その後の話

後日聞いた話なのだが、息子を押したその男の子は、あの後こっぴどく数人の先生からお叱りを受けたそうだ。
その影響からか、次の日息子に会うなり、「俺も足、怪我した」と言ってきたらしい。
どんな罪滅ぼし?、と謎なところはあるが、反省の表れなのだろう。
現在も息子とその友だちは仲よくしている、らしい。

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